武市行政書士事務所

居抜き物件なら風俗営業許可はそのまま使える?大阪で開業する際の注意点を行政書士が解説

大阪でキャバクラ・ラウンジ・クラブなどを開業するとき、候補になることが多いのが居抜き物件です。

以前も夜のお店として使用されていた物件なら、カウンターやソファ、照明などが残っていることもあり、内装工事費や開業準備の負担を抑えられる可能性があります。

そのため、

「前もキャバクラだったから風俗営業許可は大丈夫ですよね?」

「前の経営者が持っていた風俗営業許可をそのまま使えますか?」

「居抜きだから図面もそのまま使えますよね?」

というご相談も考えられます。

しかし、「以前も風俗営業をしていた物件」というだけで、新しい営業者が当然に前の許可を使って営業できるわけではありません。

一方で、現在の風営法には一定の場合に営業者の地位を承継する制度もあります。

この記事では、大阪で風俗営業の居抜き物件を契約する前に知っておきたい、許可の承継・物件・店舗構造・図面などの注意点について解説します。


居抜き物件とは?

居抜き物件とは、以前の店舗で使用されていた内装や設備などが残った状態で引き渡される物件です。

夜のお店の場合、

  • カウンター
  • テーブル・椅子
  • ソファ
  • 照明設備
  • 音響設備
  • 厨房設備
  • 間仕切り

などが残されていることがあります。

設備を利用できれば、一から店舗を作る場合より初期費用を抑えられる可能性があります。

ただし、

「内装・設備を使える」ことと「前の営業者の風俗営業許可を使える」ことは別の問題

として考える必要があります。


前のお店の風俗営業許可はそのまま使える?

ここが最も重要です。

風俗営業許可は、単に「この物件なら風俗営業をしてよい」という物件だけに与えられる許可ではありません。

営業者や営業所などについて審査を受けて取得するものです。

そのため、

前の営業者が風俗営業許可を持っていたから、新しい営業者も自動的にその許可を使える

というわけではありません。

一方、風営法には営業者の地位を承継する制度があります。

大阪府警の手続案内でも、相続、法人の合併・分割などについて承認手続が設けられています。

また、2025年の風営法改正により、一定の要件のもとで事業譲渡による地位の承継制度も整備されています。

したがって、

単に居抜き物件を借りるケースなのか、事業そのものを譲り受けるケースなのか

によっても検討が変わります。

「前の店の許可があるから大丈夫」と自己判断せず、契約・事業譲渡を進める前に確認することが重要です。


「前もキャバクラだった物件」なら安心?

前の店舗がキャバクラやラウンジとして営業していたことは、物件選びの参考にはなります。

しかし、

前もキャバクラだった
=今回も必ず風俗営業ができる

とは限りません。

今回予定している営業内容、営業者、現在の店舗構造などを改めて確認する必要があります。

また、以前の営業後に店舗の構造や設備が変更されていることもあります。

そのため、現在の状態を基準に確認することが大切です。


居抜き物件を契約する前に確認したい5つのポイント

① 今回のお店に必要な許可を確認する

まず確認したいのが、そもそも今回予定している営業にどの手続きが必要なのかです。

例えば、

  • キャバクラ
  • ラウンジ
  • スナック
  • ガールズバー

といった名称だけでは判断できません。

重要なのは実際の営業内容や接客方法です。

接待を伴う営業なのか、接待を行わず深夜0時以降に酒類を提供する営業なのかなどによって、必要となる許可・届出が変わります。

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深夜営業届と風俗営業許可のどちらが必要になるかは、店名ではなく実際の営業内容によって判断されます。違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

▶「深夜営業届と風俗営業許可の違い


② 用途地域・周辺環境を確認する

風俗営業許可では、営業所の場所も重要です。

「以前も夜のお店だった」

「繁華街だから大丈夫」

といった理由だけで判断するのは避けましょう。

今回予定している営業について、用途地域や周辺環境などの立地条件を確認する必要があります。

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風俗営業許可は、どの場所でも取得できるわけではありません。物件契約前に確認したい用途地域についてはこちらで詳しく解説しています。

▶「風俗営業許可の用途地域とは?大阪で許可が取れない場所を行政書士が解説


③ 店舗の構造・設備を確認する

居抜き物件では、内装が残っているからこそ店舗構造の確認が重要です。

風俗営業では営業所の構造・設備について基準があり、現在の店舗が予定する営業に適した状態か確認する必要があります。

また、すでに風俗営業をしている店舗でも、客室の位置・数・床面積の変更や内部の間仕切り変更などは、あらかじめ公安委員会の承認が必要となる場合があります。

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客室・照明・設備など、風俗営業許可で確認される店舗の構造基準についてはこちらをご覧ください。

▶「風俗営業許可の構造基準とは?客室・照明・設備の基準を行政書士が解説


④ 内装工事を始める前に確認する

居抜き物件でも、

「壁を撤去したい」

「間仕切りを変更したい」

「照明を変えたい」

「ソファや設備を入れ替えたい」

ということがあります。

風俗営業者が営業所の構造・設備を変更する場合、内容によっては事前の変更承認や変更後の届出が必要です。大阪府警は、小規模な模様替え、家具の入替え、照明・音響・防音設備の変更などについても届出対象となる場合を案内しています。

一方、破損箇所の原状回復や一定の設備更新など、届出を要しない変更もあります。

新規開業の場合も、許可基準を確認しないまま内装を完成させ、後から修正工事が必要になることは避けたいところです。


⑤ 図面を現在の店舗に合わせて確認する

風俗営業許可では、店舗図面も重要です。

前の営業者が使用した図面が残っていたとしても、

「その図面があるから、そのまま今回の申請に使える」

とは考えない方がよいでしょう。

現在の店舗を確認し、

  • 店舗の寸法
  • 客室
  • 設備
  • 家具等の配置
  • 現在の構造

などと申請内容が一致するよう、必要な図面を準備します。

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風俗営業許可で必要となる図面の種類や、店舗を採寸する際のポイントはこちらの記事で解説しています。

▶「風俗営業許可の図面作成とは?必要な図面の種類と注意点を行政書士が解説


居抜き物件の契約前チェックリスト

気になる物件を見つけたら、次の項目を確認しましょう。

  • □ 今回の営業内容は何か
  • □ 接待を行う予定があるか
  • □ 必要な許可・届出は何か
  • □ 前営業者の許可を承継するケースに該当するか
  • □ 用途地域等の立地条件に問題がないか
  • □ 店舗構造・設備を確認したか
  • □ 内装工事が必要か
  • □ 現在の店舗状態を反映した図面を作成できるか
  • □ 賃貸借契約上、予定している営業が可能か

ポイントは、

「契約してから許可を調べる」のではなく、「予定する営業ができる物件か確認してから契約する」

ことです。


居抜き物件は「すぐ開業できる」とは限らない

居抜き物件には、初期費用や工事期間を抑えられる可能性があります。

しかし、

居抜き物件=すぐ営業開始できる

という意味ではありません。

風俗営業許可を新たに取得する必要がある場合には、申請準備や審査期間も考えて開業スケジュールを組む必要があります。

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大阪で風俗営業許可を取得する場合の必要書類・費用・期間・申請から営業開始までの流れについては、こちらの記事でまとめています。

▶「大阪で風俗営業許可を取得するには?申請の流れ・費用・期間を行政書士が解説

※このリンクだけは、先ほど見つからなかったので、WordPressで実際の記事URLを確認できるまでリンクを設定せず、タイトルだけ置いておきましょう。


大阪で居抜きのキャバクラ・ラウンジを開業する方へ

居抜き物件を利用した開業で重要なのは、

「前のお店がどうだったか」だけではなく、「今回どの営業者が、どのような営業を行うのか」

を基準に考えることです。

特に、

「前のお店の許可を使えると思っている」

「居抜きだからすぐオープンできると思っている」

「契約してから許可を確認しようと思っている」

という場合は、契約前に一度確認することをおすすめします。


まとめ

大阪でキャバクラ・ラウンジなどを居抜き物件で開業する場合、前店舗が風俗営業許可を取得していたからといって、新しい営業者が当然にその許可を利用できるわけではありません。

一方、風営法には一定の場合に営業者の地位を承継する制度がありますので、「絶対に新規申請になる」と決めつけることも適切ではありません。

物件契約前に、

営業内容 → 許可・承継の確認 → 立地確認 → 店舗構造確認 → 内装計画 → 申請準備

の順に確認していくことが重要です。

当事務所では、大阪府内でキャバクラ・ラウンジ・ガールズバーなどを開業される方について、物件契約前のご相談から店舗調査、図面作成、風俗営業許可申請までサポートしております。

あなたのお店は深夜営業届でよいのか、風俗営業許可が必要なのか無料診断しています。

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